2009.MARCH

タイトル／海に想う

花冷えなのでしょうか。
訪ねた神戸の町は春未だ遠く海からの風は寒風といってもいいくらいで　病に倒れた友を見舞う足も重く感じました。部室には以前住んでいた庭のサクラが届いていて　彼もかの地を懐かしんでいるようです。１６年前に集って土地を開いて穴窯を造り、牡蠣やタコを海から調達してきて　火を焚いて朝から夜までみんなで働き、よく語り合い、よく飲んだものでした。みんな若くて　夢中になって遊んだ時間が今とても愛おしく感じられます。病気を克服して　新しい人生をもう一度始める人が沢山います。そのチャンスは彼には与えられないのでしょうか？才能と知識とセンスと好奇心がまだまだ溢れているのに　新しい作品は彼の手からはもう生み出されないのか？　　頑張ってとは言えずに「また　能古でね」と言って帰りました。

帰りの車の中で友が「阪神淡路大震災」の時のこの町の惨状を話してくれました。
今、４月１９日から始まる「五陵展」に出品するパネルを制作中です。彫刻家の竹中正基氏から二年ほど前に玄関の正面の窓のステンドグラスの制作を依頼されました。「福岡西方沖地震」で師のご自宅は深刻なダメージを受け改修しましたが　「その記憶を刻む」という宿題でした。天災という暗いテーマで何もイメージできずに先延ばしにしていた窓です。「凪の海（なぎのみ」という作品その時にご覧いただけると思います。

故郷の海を遠く想う床伏の友の心にも平安あれと祈ります。

只今　アクロス福岡匠ギャラリーにて　竹中正基（彫刻）、鈴木博（木工家具）、萬野栄一（陶芸）三氏による
「木と陶のある生活空間」開催中です。　　４月５日まで10：00〜18：00（5日は16：00まで）

　　2009.MAR.30th

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