■那珂川だより
2011.JANUARY
タイトル/荒尾記記史朗大兄邂逅
年明けに書類などの整理をしていたら 記史朗氏からの書簡や「なまず通信」などをファイルしたものを見つけて手を止めていっとき見入った。
書家の独特の筆跡や便りの隅に描かれたユーモア溢れる挿絵などを見、瑞々しい観察力、洞察力を思い出しながら「荒尾記史朗」という人を憶った。便りの書き出しはいつも能古の自宅の庭や周辺の季節の花の事 訪ねてくる鳥やカエルの様子だった。
拝啓
昨日は雛の節句 よいお天気で庭の梅の花が綻んでで小鳥などの啼きも楽しげに聴こえました。最近枕元に水仙だの梅だの香る花を小さな花瓶に生けて休むと、なんだか熟睡するようです。おかげで甘い夢など時折現れて参ります。
昨夜は春の野に出て遊ぶ心地よい夢でした。少しずつ風邪も退散しております。(喉が痛かった)
庭に咲いた花を摘みました。水切りをして花瓶に入れて下さい。 記史朗
小さな花の日本水仙の一束とノビルのキムチ漬けが瓶に詰めてあって 段ボールを開けると早春の能古の風も一緒だった。「能古ふるさと便」と称して時折晩酌セットが届けられた。
(むろんラベルも手作り)
この寒さの中にも冬の楽しみを見つけ 春のかけらを見つけたらその瞬間を愛おしんで深呼吸していた人を懐かしむ。2009年5月彼が逝ってから二度目の冬が巡る。 2011.Jan.6th
牡丹雪があっという間に積もる