■那珂川だより
2011.APRIL
タイトル/春眠はいづこ?
「焦り」なのか「不安」なのか昨夜は眠りが浅く 作品の事や「しておかなければならない」事が頭の中にひしめいてきて落ち着かない。眠る努力なんて無駄だと思っているので 3時頃にベッドを出て メモしたり 夢に見たアイデアをスケッチしたりして 静かに過ごす。
考えようによっては 昼の喧噪の中ではまとまらないことをじっくり考えられる貴重な時間。
点けた天井灯の眩しい光に迷惑そうな顔をする二匹だが そのままベッドに留まる事はせずに とぼとぼと後をついてソファの上でまた微睡む。明け方ころには「バッハルベルのカノン」を聞いて朝が来ることへ感謝を覚える。
近年「glacier」(氷河の記憶)というシリーズで作品を制作している。十数年前に「氷上の海」というテーマでインスタレーションをしたのが イメージの出発点だった。私達の知らないところで失われていくどこかの自然を自覚したくて (警鐘というほどのものではなかった)作り始めた。今どこかではなく 身近に起きるようになってしまった。気づきが遅かったのだろうか。気づいていて何もしない身勝手な人間に対する仕打ちなのか。「再生」ではなく「新生」しなければならないのかもしれない。
「glacier」
「somewhere in Amazon」2011
街の暮らしを離れて 住んだ土地の周囲の山や樹々に毎日元気をいただき、鳥のさえずりに日々慰められている。
那珂川 伏見神社前の堰の桜は散る頃が美しい。2011.Apr.6th