■那珂川だより
2011.APRIL
タイトル/栄養素
今年はタケノコが不作だ。去年がものすごかったので 「裏年」ということだが 降雨量も少ないし なによりこの寒さ。那珂川では未だにストーブ片付けられないし 薪ストーブの煙が空にたなびいている。まもなく「有田陶器市」も始まるが 学生の頃はこの頃に合服(白いブラウスにベスト)になり 半袖なんか着ていた。
那珂川の梶原区という地に木工工房を開いた中村伊織氏のところにパオさん夫妻に案内されてお邪魔した。
藁葺き(今はその上にトタンが被せてある)の200年の古民家を2年余りかけて リフォームされたそう。センスのいい造りの家具やクラフトが99%木の中にしっくり存った。工房名は「iori」 庭のシャクナゲは満開でハランの緑がそこかしこに自生していて 樹齢300年といわれる椎の樹がこの地の守り神のように佇んでいた。また一人「那珂川」に縁を繋がれたアーティストの登場です。
午後は納品に出かけた。ギャラリーで出会ったお客様なのだが ゆっくりお話を伺ったらお嫁さんと義母だそう。目の前で二人お互いに言いたい事を言っている。本当の親子みたいにケンカしながら 端々に互いを思いやる言葉が見え隠れして こちらはまあ驚くやら微笑むやら・・・
7年前にはご主人を事故で亡くされ 1ヶ月程前にお父様が逝去され血のつながらない嫁姑は頼りにしながら楽しく強く行きていこうとしていらっしゃる。ご主人亡き後 お嫁さんは春日で小料理屋を引き継いでされているらしく 今度お邪魔させていただく事を約束して賑やかなお宅を後にする。良い出会いがまたあったなあとしみじみ。年を重ねるという事はなかなかいいもんです。人の温かさやそれぞれの生き様がじわっと心に染みて来てこちらの心もほっこりなるよう。2011.Apr.20th
百花の庭の続き
日に日に広がってくる蕗の蒼
ドウダンツツジの愛らしい花
この無垢な花を見るたびに分けていただいたK戸さんを想い出す。ご主人の看病でしばらくお休みだが心根のしっかりした方だけにどこかで辛い涙を拭っていらっしゃるのだろうなあと心痛く 回復を只ただ祈るばかり